定年後にはさまざまな住まいの選択肢が

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「これまで子育てに一生懸命だったが、子どもが巣立って空き部屋となり、夫婦2人の暮らしに広すぎる」といった人も少なくありません。

日本は60歳の平均余命が男性23年、女性28年と世界トップクラスの長寿国。定年後の長い人生を考えると、築20年、30年を経過した広めの家でリフォームを何度も繰り返していくことは、家計に大きな負担です。

こうした視点で定年後の住まいを考えますと、自宅の売却等で老後資金を確保することも選択肢です。思い出のたくさんある家を売ることは寂しいものですが、たとえば、経済的な理由から断念していた楽しみを実現できるかもしれません。では、自宅の売却等で実現するプランと注意点を見ていきましょう。

1.まず自宅を売却して、中古マンションや田舎の家屋に買い替える方法です。夫婦の老後生活に不動産の購入で差額資金の確保を目指します。ただし、夫婦の老後生活に対する考えやプランが合っている必要があります。たとえば、夫が田舎で野菜を作る自給自足生活を夢見ていたとしても、妻が観劇や美術館巡りのできる都会生活を望んでいれば田舎暮らしの実現は難しいでしょう。

2.次はリバースモーゲージで自宅を担保に金融機関から老後資金を借りる方法です。金利だけを支払い、元金は亡くなった後に担保である自宅を処分して清算することになります。リバースモーゲージの多くは変動金利型であることから、金利が上昇すると毎月の支払額が増えるといったリスクや、担保である不動産の価値がなんらかの原因で下がったら融資限度額が下がるなどのリスクがあります。

3.複合施設の高齢者向け賃貸住宅に住み替えるといった方法もあります。これまで住んでいた自宅を賃貸に出すか売却するかして、その資金を使って高齢者向けサービス等を備えた賃貸住宅に住むプランです。

安否確認、提携医療機関による健康アドバイス等は言うに及ばず、買い物の代行、外出付き添いなどのオプションを提供している施設もあり、このところ人気です。ただし、これらの施設は民間事業のためサービス内容は玉石混淆であり、十分吟味する必要があります。

このように定年後の住まいはさまざまであり、今後も選択肢は増えていくものと思われますが、定年前から調べてみる価値はありそうです。

高齢者向けの住宅選びには、自立か介護かという問題もあります。

高齢者向け住宅には、社会福祉法人、医療法人のほか、ゼネコン、住宅メーカー、不動産会社などが関心を寄せており、新規参入組がどんどん増えています。

比較的健康な人向けのタイプから介護が必要な人を中心とするタイプ、また、入居金のかからないところから高額物件までとさまざまです。複雑に展開されていますので、50代の今から少しずつでも関心をもつようにしたいところです。

<続く>